普段私たちが呼吸をして体の中に取り入れた酸素は血液に溶け込み、血管を通って細胞まで運ばれエネルギーに変える為に使われます。 エネルギーに変る時に多くの酸素は水素と結合して水となりますが、一部の酸素は水素と結びつかずに活性酸素となります。
活性酸素の発生する率は体に取り込んだ全酸素の1~2%にあたります。
活性酸素は本来はウイルスなどが体内に侵入した時に侵入者防御する役目を持っています。 増えすぎると遺伝子、血管などを傷つけ脂質を酸化させ過酸化脂質を作り、組織を破壊するなど体に悪い影響を与えてしまいます。
分子の構造で見てみると、電子が分子を中心にして軌道上を動いています。 電子が軌道上にペア(2個)あるととても安定した状態になります。
一方、軌道上にペアになる電子が存在しないと、自らを安定させる為他の分子にある電子を奪い取ってきます。 そして奪い取る動作がドミノ倒しのように次から次へと進みます。
このように他の分子から電子を奪い取ることを「酸化」と言い、ペアになる相手のいない電子のことを「不対電子」と言います。 そして不対電子を含む物質を「フリーラジカル」と呼び、強力な酸化作用を持っていて、動脈硬化や老化の大きな原因となっています。
フリーラジカルには酸素、スーパーオキシド、ヒドロキシラジカルがあり、非フリラジカルには過酸化水素、一重項酸素があります。
酸素そのものが不対電子を持っているため、フリーラジカルとなります。
活性酸素には電子の結合状態の違いにより四種類の形があります。
●血管を衰えさせて動脈硬化の原因
●コラーゲンを破壊して皮膚の弾力性を無くしたりしわの原因
●免疫機能がおかしくなり白血球が自分自身の細胞を間違えて攻撃するようになる。
その他ガン、糖尿病、リュウマチ、白内障、認知症などの原因となります。
活性酸素の攻撃から身を守る役目をするのが抗酸化物質(SOD)です。
SOD(スーパーオキシディスムターゼ)は体の中で作られる酵素と、体の外から食物などを通して取り入れる物質の2つがあります。
喫煙やストレスなどの原因で過剰に発生した活性酸素から身を守るには、体の中で作られたSODだけでは全く足りません。
そこで食物から取り入れてSODを補ってあげる必要があります。
以下の食品にはSODと同じ役目をする抗酸化物質が多く含まれ、摂取することにより活性酸素から身を守ることができます。
特にリコペン、ビタミンEは抗酸化力が強く、酸化力の強いヒドロキシルラジカルや一重項酸素に対しても有効です。
抗酸化物質 | 抗酸化物質を多く含む食品 |
βカロチン | にんじん、かぼちゃ、ブロッコリー、しそ、ピーマンなど |
ビタミンC | みかん、いちご、キウイー、レモンなど |
ビタミンE | かぼちゃ、うなぎ、サバ、ゴマ、小麦胚芽、ナッツ類 |
リコぺン | トマト、スイカ、柿 |
カテキン | 緑茶、ウーロン茶など |
ポリフェノール | 赤ワイン、ココア、玉ねぎなど |
アスタキサンチン | 桜エビ、カニ、鮭、すじこなど |
スルフォラファン | 菜の花、キャベツ、ブロッコリースプラウト |
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